内科疾患
Internal medicine disease
内科疾患
Internal medicine disease
風邪とは、自然に治癒する上気道のウイルス感染症のことです。上気道とは鼻と喉、気管・気管支といった空気の通り道のことを指します。風邪症候群と呼称される場合もあります。風邪を引き起こすウイルスが上気道各部位に感染することで炎症が起こり、鼻であれば鼻水、喉であれば喉の痛みや声がれなど特有の症状が現れます。
風邪は、基本的には安静を保つことで自然回復する病気です。ウイルスに対する特効薬は存在しないため、解熱鎮痛剤や去痰剤など症状に応じて対症療法を行うことが治療の基本となります。
風邪に関連したウイルスは上気道(鼻や咽頭など)に炎症を引き起こすため、感染部位に応じた症状が出現します。鼻であれば鼻水や鼻づまりが生じますし、喉であれば咽頭痛や声がれなどが出現します。しかし、上気道全体に炎症を起こすこともあります。その際には、鼻水・鼻づまり、咽頭痛、咳・痰などが同時に出現することになります。
鼻水、のどの痛み、咳、発熱、くしゃみなどを特徴とする風邪ですが、これらの症状はウイルス以外の呼吸器の感染症など、他の病気でもみられることがあります。風邪は自然によくなるという特徴を持っており、症状が長引く場合は、他の病気の可能性も考えられます。
基本的には自然治癒が見込める疾患であり、また、ウイルスに対する特効薬も存在しません。そのため、治療の基本は対症療法になります。発熱や咽頭痛に対しては解熱鎮痛剤が、痰に対しては去痰薬が使用されます。こうした薬剤を内服しつつ、脱水にならないように水分を補給しながら、栄養のあるものを摂り、しっかり休息をとることが重要です。風邪は、基本的には予後良好な疾患ですが、手洗いうがい、マスクの着用などを徹底して感染を予防することも大切です。
アレルギー性鼻炎とは、花粉やダニなどの特定の物質(アレルゲン)を異物とみなし、体内から異物を排除しようと主にくしゃみ、鼻汁、鼻閉の3つの症状が生じてしまう病気のことです。アレルギーとは、ある特定の物質に対して体の免疫機能が過剰に反応してしまう現象のことです。アレルギーはI~IVの型に分かれており、アレルギー性鼻炎はIgE抗体という抗体(病原体などが体内に侵入してきたときに反応するたんぱく質)が関与する鼻粘膜のI型アレルギー疾患に分類されています。
原因物質はたくさんありますが、アレルゲンに曝露されることでアレルギー性鼻炎が出現する点は共通しています。アレルギー性鼻炎は一年中症状がある通年性アレルギー性鼻炎と一定の季節に限局して生じる季節性アレルギー性鼻炎に分類されます。
3大症状は「くしゃみ」「鼻汁」「鼻閉」です。そのほかに頭痛、頭重感、食欲不振、耳・喉・目のかゆみなどの症状を伴うこともあります。こうした症状は、倦怠感や意欲の低下にもつながります。
予防、また症状を最小限に抑えるには、原因となるアレルゲンのことをきちんと把握して、アレルゲンに曝露されないことが重要です。アレルギー検査の方法としてもっとも一般的なものは血液検査です。血液検査でアレルギーに関連性の深い好酸球やIgEなどを測定します。特異的IgE抗体の測定は、原因物質の特定を目的として検査されます。(当院でも血液検査を行うことができます。)鼻汁の好酸球を顕微鏡で確認する場合もあります。(当院では行っていません。)また、原因として疑われる物質でアレルギー反応が誘発されるか確認する検査もあります。具体的には、鼻の反応をみる鼻粘膜誘発テストや皮膚の反応をみるプリックテスト、皮内テストなどです。(当院では行っていません。)
予防には、原因物質の回避が重要です。病院で行う治療には、薬物投与・手術・免疫療法があります。症状や希望にあわせて治療方法が選択されます。